高校 政経・倫政の補習講座

大学入試に向けた知識、学んだことと生活を結びつける知恵を提供します。

 今回はサルトルを理解します。
 サルトルのキーワードは、「実存は本質に先立つ」、「人間とは自らつくるものにほかならない」、投企、アンガージュマン、自由の刑など、主体的な人間像を描くサルトルは一世を風靡しました。周囲の『第二の性』のボーヴォワール、不条理のカミュ、身体は物質であると共に意識が浸透していると考えたメルロ・ポンティ、工場で働いた哲学者のシモーヌ・ヴェイユらと共に理解しましょう。

22サルトル
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 今回はヤスパースとハイデカーです。
 いずれもドイツ人で、第2次大戦を経験し、ナチズムとも接点があります。
 ヤスパースのキーワードは、限界状況、包括者(超越者)、実存的交わり(愛しながらの闘い)の主に3つです。同じ実存主義者に分類されるキルケゴールと同じように神を否定しないところも特徴的です。
 ハイデカーは「20世紀最大の哲学者」といわれ、その内容は難解です。キーワードはひと(世人、ダス・マン)、現存在、世界-内-存在、死へとかかわる存在、故郷の喪失などで、表面的には難しくない感じがしますが、資料集に出てくる原典と照らし合わせると、回りくどかったり、何を言っているのか理解しづらいのです(一方でそれら難解な用語はドイツ語では日常会話で使われている言葉でできていて、従来の哲学用語は使っていないとも言われます)。難解さに深入りしすぎても混乱するだけですから、シンプルに「人は『死へかかわる存在』として、誰もかわることができない死9を意識しながら、精一杯、個別の生を生きるべき」と考えた、ととらえた方がいいと思います。その上で過去問にあたってみましょう。下にもありますし、こちらにも過去問があります(CS倫理 No31)
 一通り、キーワードを理解した上で問題を解くことが必要です。
21ヤスパース、ハイデカー
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 今回は実存主義、キルケゴールとニーチェです。
 実存主義とは、客観的に人間や社会を把握しようとするのではなくて、「今、ここに生きる、私」がどう生きるべきか、個別的な真理を見出そうとする考え方のことです。それまではホモ・サピエンスという言葉にしても、ヘーゲルの国家にしても、社会学や経済学、社会主義にしても「人間とは○○である」とか「社会は○○である」と説明してきましたが、唯一無二の自分にとっては、それらの「本質」は違和感があったり、自分を救ってくれません。私にとっての真理にはなりにくいのです。実存主義はそれに答えようとするので、高校生にとっては惹かれたり、取っつきやすいようです。
 それぞれ独特のキーワードがあります。キルケゴールでいえば主体的真理、絶望、実存の三段階、単独者、「あれか、これか」。ニーチェの方はニヒリズム、ルサンチマン、奴隷道徳、神は死んだ、力への意志、超人、永劫回帰、運命愛などです。一つ一つの用語を理解するのは大変そうですが、いっていることは面白い、正確に、流れの中で理解していきましょう。
20キルケゴール、ニーチェ
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