高校 政経・倫政の補習講座

大学入試に向けた知識、学んだことと生活を結びつける知恵を提供します。

 今回の単元は、戦後の国際経済の変遷を理解します。
 ポイントは、IMF、IBRD、GATTの役割の違いです。
 1929年からの世界恐慌時、各国はブロック経済を組みました。とするとたくさん植民地を持っている国は原料の輸入先と製品の販売先が確保できるので有利です。植民地をたくさんは持っていない国は植民地の再編成を求めて大戦につながっていきました。経済が戦争の原因だったのです。その反省を受けて、IMFとIBRDは為替を安定化させるため、GATTは貿易を自由化する(関税を下げる)ために設立されました。
 GATTの多国間交渉、ラウンドの内容も出題されます。ラウンドは全部で8回行われましたが、さすがに全部は覚えなくてもいい。ケネディラウンド、東京ラウンド、ウルグアイラウンドの3つは内容を把握することが必要です。
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 今回の単元は国際収支を理解します。
 輸出入や投資、労働者の出稼ぎやODAなど国際的なやりとりの収支は国際的な基準で分類されています。
 ポイントは、「そのやりとりは、どの収支に分類されるか」です。この○○収支と言い方も慣れるまでに時間がかかりますし、暗記物です。少しキツいと感じるかもしれませんが、覚えていれば解けるし、覚えなければ解けない、という単元です。
 国際収支は、基本的には各国が同じ基準でつくられていますので、比較しやすいのが特徴で、例えば教科書か資料集に主な国の国際収支が出ているでしょう。小学校の時「日本は資源に乏しいので、原料を輸入し、製品を輸出する国」と教わったかもしれませんが、国際収支を見るとそれは過去の話。貿易収支で稼ぐのではなく、第一次所得収支で稼いでいる国に変わってきています。

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 今回の単元から国際経済に入ります。自由貿易と保護貿易を理解します。
 政経、倫政では限られた単元、主に次の4つで計算問題が入ります。
 ①国民所得の出し方、
 ②実質成長率、
 ③比較生産費説、
 ④国際収支、
 今回はその③、リカードの比較生産費説(比較生産価値説)です。
 恐らく「比較優位」の考え方に慣れるまでに時間がかかりますが、納得できればあとはスムーズ、
納得がポイントです。
 表に入っている数字は小さい方がいい。けれど絶対値として小さければいいのではなく、相対値として小さい必要があるので、割り算が必要なります。例えばA国は、電気製品1単位(1コと考えればいい)をつくるのは衣料品をつくるより何倍の労働量が必要か、というふうにです。

 ただし、この計算や考え方によると、
 「ある国Xでは農業は不要で、輸入すればいい」とか
 「ある国Yでは工業製品の生産はあきらめて、農産物のみ生産、貿易すればいい」とか
現状追認に陥ってしまう可能性があります。一つの理論、説ですので、この「国際分業の課題は何か」も同時に考えられると理想的です。
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