高校 政経・倫政の補習講座

大学入試に向けた知識、学んだことと生活を結びつける知恵を提供します。

2018年11月

 今回はサルトルを理解します。
 サルトルのキーワードは、「実存は本質に先立つ」、「人間とは自らつくるものにほかならない」、投企、アンガージュマン、自由の刑など、主体的な人間像を描くサルトルは一世を風靡しました。周囲の『第二の性』のボーヴォワール、不条理のカミュ、身体は物質であると共に意識が浸透していると考えたメルロ・ポンティ、工場で働いた哲学者のシモーヌ・ヴェイユらと共に理解しましょう。

22サルトル
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 今回はヤスパースとハイデカーです。
 いずれもドイツ人で、第2次大戦を経験し、ナチズムとも接点があります。
 ヤスパースのキーワードは、限界状況、包括者(超越者)、実存的交わり(愛しながらの闘い)の主に3つです。キルケゴールと同じように神を否定しないところも特徴的です。
 ハイデカーは「20世紀最大の哲学者」といわれ、その内容は難解です。キーワードはひと(世人、ダス・マン)、現存在、世界-内-存在、死へとかかわる存在、故郷の喪失などで、表面的には難しくない感じがしますが、資料集に出てくる原典と照らし合わせると、回りくどかったり、確たる根拠が理解しづらいのです。その難解さに深入りしすぎても混乱するだけですから、シンプルに「人は『死へかかわる存在』として、死ぬまでの時間を精一杯生きるべき」と考えた、ととらえた方がいいと思います。
 一通り、キーワードを理解した上で問題を解くことが必要です。
21ヤスパース、ハイデカー
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 今回は実存主義、キルケゴールとニーチェです。
 実存主義とは、客観的に人間や社会を把握しようとするのではなくて、「今、ここに生きる、私」がどう生きるべきか、個別的な真理を見出そうとする動きのことです。それまではホモ・サピエンスという言葉にしても、ヘーゲルの国家にしても、社会学や経済学、社会主義にしても「人間とは○○である」とか「社会は○○である」と説明してきましたが、唯一無二の自分にとっては、それらの「本質」は違和感があったり、自分を救ってくれません。私にとっての真理にはなりにくいのです。実存主義はそれに答えようとするので、高校生にとっては惹かれたり、取っつきやすいようです。
 それぞれ独特のキーワードがあります。キルケゴールでいえば主体的真理、絶望、実存の三段階、単独者、「あれか、これか」。ニーチェの方はニヒリズム、ルサンチマン、奴隷道徳、神は死んだ、力への意志、超人、永劫回帰、運命愛などです。一つ一つの用語を理解するのは大変そうですが、いっていることは面白い、正確に、流れの中で理解していきましょう。
20キルケゴール、ニーチェ
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 今回の単元はプラグマティズムと、のちに空想的社会主義と呼ばれる初期社会主義を理解します。
 アメリカで発展したプラグマティズムはパース、ジェームズ、デューイの3人を、初期社会主義はオーエン、サン・シモン、フーリエをそれぞれ区別するのがポイントです。違いが大きくないためわかりにくいですが、問題文には必ず区別するための用語がヒントとして示されていますので、それを見落とさないことが大切です。その意味でも問題をたくさん解きたいところです。

18プラグマティズム、空想社会主義
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 今回は社会主義を理解します。
 19世紀、A・スミス流の自由競争は弊害が顕在化します。J・S・ミルやプラグマティスト、進化論の考え方もそれらの弊害に対応しようとしていましたが、市場経済そのものの問題点を明らかにしたのがマルクスです。
 ポイントは、マルクスが労働や社会の構造をどう考えていたかです。下部構造、疎外、生産手段の社会的所有、史的唯物論など堅い言葉が出てきますが、市場経済や歴史を動かす力について説明しようとした用語です。それまでのA・スミスやリカードなどの経済学者は「見えざる手」によって調整される考えていたので、なぜ各人の努力差以上に格差が開くのか、恐慌はなぜ発生するのか述べていません。マルクスはそれらを明らかにしていきます。
 旧ソ連は崩壊し、中国も市場経済を導入していますので、社会主義の考え方は誤っていたようにも見えますが、現在の市場経済の国でも純粋に「見えざる手」に任せている訳ではなく、景気対策や社会権を重視します。大雑把に言えば、市場経済と計画経済は混ざり合っています。
 社会民主主義と呼ばれるフェビアン協会やベルンシュタインの修正主義も出題されますが、それらを理解する意味は、これからの国家の役割を考えるのにも役立ちます。

19社会主義
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