高校 政経・倫政の補習講座

大学入試に向けた知識、学んだことと生活を結びつける知恵を提供します。

2018年12月

 今回の単元は構造主義やフランクフルト学派を学びます。
 構造主義とは、人間の思考や行動が、理性によって引き起こされるのではなく、理性や意識を超えた構造にあると考える立場です。ソシュールは言語の構造に、レヴィ・ストロースは「野生の思考」構造に、フーコーは西洋の知の構造を排除の構造として批判しています。
 フランクフルト学派とは、ナチスによって迫害を受けたユダヤ系の人々がドイツのフランクフルト社会研究所に集まったのでそう呼ばれます。アドルノ、ホルクハイマー、フロム、ハーバーマスらがフランクフルト学派に含まれ、共通点としてナチスが引き起こした出来事の原因は単なる感情ではなく、理性が中心に使われていたことから、理性に対する問い直し(批判理論)が含んでいます。
 この構造主義やフランクフルト学派あたりから、現代思想と呼ばれます。それはデカルト、カント、ヘーゲルあたりが確立してきた理性を揺るがすために、そう呼ばれます。
26フランクフルト学派
26フランクフルト学派Ad
26フランクフルト学派Cha
26フランクフルト学派Cha2

 今回の単元は無意識と構造主義です。どちらも今までの哲学がとらえきれなかった、思考の隠れた構造を明らかにしようとする立場です。人間を支配しているのは理性よりも、無意識や構造。慣れるまで時間がかかる人もいるかもしれませんが、慣れればスイスイ解けるばかりでなく、新しい思考法を身につけたり、学問の新しい面白さを感じるはずです。構造主義は、国語の評論文や小論文にも役立ちます。
 構造主義は、それまで人間は理性によって物事をとらえたり、生み出していると考えてきましたが、人間の理性や意識を超えた言語や慣習などの「構造」があると考えます。ソシュール、レヴィ・ストロース、フーコーらがここに分類されます。より詳しくはコチラ(CS倫理 No36 レヴィ・ストロース、フーコー、デリダ : 高校 政経・倫政の補習講座 (myjournal.jp)
 フロイトは無意識を見出した人です。理性の背後に広大な無意識の領域があって、その無意識が人間の行動に影響を及ぼしているという考え方をします。エス、超自我、自我の3つの区分が人間の何をコントロールしているのか、図と共に理解しておきましょう。
25構造主義
25構造主義Ad

 今回の単元は、他者と生命への視線をあつかう単元に出てくる人々、具体的にはマザーテレサ、レヴィナス、シュヴァイツァー、ガンディー、ベルクソンです。
 それぞれがいつものようにキーワードを持っています。ガンディーのサティヤーグラハやアヒンサーのような聞き慣れない言葉は区別しやすいのですが、「顔」、「生命への畏敬」、「生命の飛躍」のような普通名詞が要注意、どのような意味を持っているのかを明らかにしましょう。意味が明らかになってくると、単に得点が上がっていくだけでなく、自分や世間の常識を揺るがす考え方と出会うことにもつながるでしょう。
24シュヴァイツァー
24シュヴァイツァーAd


 今回は、グラフや表を読み取ります。
 グラフや表は、見たことのあるものと全く同じものが出題されることはほとんどありません。
初めて見るグラフや表であることが多いので、受験生は対等です。答えがグラフや表中に含まれていることがほとんどですので、焦らず、時間をかけて読み取りましょう。
 その上で、歴史的な経緯や変化を聞かれることが多い折れ線グラフは、何か区別できる鍵がありますので、それを探すことです。例えば1997年はアジア通貨危機が起きています。2008年には世界金融危機が起きています。影響を受けやすい国の折れ線グラフが著しく動いているでしょう。
 示した例題のような「ゲームの理論」と「ローレンツ曲線」は頻出です。これらは受験で初めて解くのは得策ではありません。これらは資料をじっくり読み取るというよりは、慣れておいて反射的に解く出題です。
page001
page002
page003
page004




 今回の単元は、BRICSを中心とした新興国の現状を理解します。
ここでのポイントは2つです。
 ①GDPが世界2位になった中国については、歴史的な経緯や政治制度も含めて理解すること
 ②他のBRICS各国については、経済成長の原因や特徴を理解すること
です。②については、いずれの国々も共通点としては資源大国であり、人口も多く面積も広い国です。その上で、課題も抱えています。例えばブラジルやインド、南アフリカであれば貧富の格差、ロシアであれば資源が豊富であるが故のものづくりの停滞、中国であれば人権です。次回第63回で行うような、グラフや図などの資料とからむと予測して学びましょう。

page001
page002


このページのトップヘ