高校 政経・倫政の補習講座

大学入試に向けた知識、学んだことと生活を結びつける知恵を提供します。

2019年03月

 今回の単元は、国ごとに行われている政府開発援助、ODAを中心に貧困削減の動きを理解します。
 ポイントは、ODAの種類と、国際的な目標の推移です。
 ODAの種類は、贈与と貸与に分けられます。そのうち贈与はお金をあげる無償資金協力と、青年海外協力隊のようなお金ではない技術協力に分けることができます。貸与は日本の場合は円借款という言い方をされることもありますが、お金を貸すことも援助?と思う人もいるでしょう。皆さんが奨学金を借りるように、低金利であればお金をあげてしまうことより、自立に役立つことが少なくないので、お金を貸すことも援助に含めています。
 国際的な目標は、1968年の第2回UNCTADで「GNPの1%を援助へ」や特恵関税という目標が、1972年の第3回UNCTADで「GNPの0.7%をODAへ」という目標が定められました。この目標をどこの国がクリアしていて、どこの国がクリアしていないのか教科書や資料集にグラフが出ています。概ね北欧諸国がクリアしていて、日米が関心が薄いことがわかります。とはいえ、ODAの総額だけを見ると日米は上位国となります。1990年代は日本が最大の拠出額だったことなど、国別の推移も出題されます。

page001
page002


 今回の単元は、南北問題を理解します。
 ここでのポイントは、「国際社会が南北問題に対してどのような取り組みをしてきたのか」です。
UNCTADやUNDP、そして昨今話題になることの多いSDGsをつくった国連総会など、国連も取り組んでいますし、「先進国クラブ」の任意の国の集まりであるOECDや、国ごとでもODAで取り組んでいます。もちろん民間団体も取り組んでいます。
 とりわけ国連総会は一国一票の多数決ですので、数が多い途上国に配慮した取り組みが決定されます。が、国連総会の決議には法的拘束力はありませんでした。国連の制度(第25~27回)と結びつけて理解できると理想的です。

「1974年の国際連合総会において、『新国際経済秩序樹立宣言』決議が採択されたが、この決議の主なる内容と意義について、説明しなさい」(青山学院大学)
page001
page002



このページのトップヘ