高校 政経・倫政の補習講座

大学入試に向けた知識、学んだことと生活を結びつける知恵を提供します。

2020年09月

 今回は公害や環境問題を理解していきます。
 高度成長期の4大公害病は原因物質と共に覚える必要がありますが、公害は足尾鉱毒事件など明治時代にも存在しました。ただやはり公害対策が進むのは4大公害病が顕在化した後、1970年のいわゆる「公害国会」以降のことです。公害対策基本法が改正され、環境庁もできます。第1次石油危機と同じ年の1973年には公害健康被害補償法が制定され、PPP(汚染原因者負担原則)が定められ、過失、わざとではなくても被害が出れば汚染者が除去や回復、補償をする内容となります。
 同じ時期、1970年代の前半から、世界では「環境問題」が存在することが認識されていきます。詳しくは別の単元に譲りますが、冷戦終結後の1992年の「地球サミット」を経て、日本では1993年に公害対策基本法に代えて、環境基本法が制定されていきます。
 教科書や資料集に、環境基本法や各種のリサイクル法が図と共に載っているでしょう。「全部覚えないとダメですか」と質問されることがありますが、そのうちリサイクル費用を消費者が負担する家電リサイクル法と自動車リサイクル法と、レジ袋有料化で改正された容器包装リサイクル法を特に押さえておきましょう。

 少し脇道にズレますが、マイクロプラスチックによる海洋汚染が2020年頃だいぶ報道されました。それによってレジ袋有料化は進展しましたが、レジ袋はプラごみのうちの何%を占めるでしょうか。またプラごみのリサイクル率は日本は86%と高いように見えますが、そのうち半分以上はサーマルリサイクルと言って、プラごみを燃やして温水プールにするようなリサイクルの仕方をしていて、何回も使うとか再資源化されてあらためてプラスチックになるというのではないのです。SDGsにも関わりますが、イメージ先行ではなく、実態としてどうなっているのかをいずれ学んでいきたいですね。
 脇道ついでに、NHKのHPにチリのアタカマ砂漠で先進国からの売れ残った衣服が捨てられている記事が掲載されています。一方でアパレルやファッション関係のメディアでは、今日も消費が喚起されていて、けっこう服屋さんは賑わっています。一体どうしていったらいいのでしょう、考え込んでしまいました。

アタカマ砂漠 捨てられる衣服 NHKweb

(NHK NEWSWEBのHP(着られなくなった衣服の“末路”とは… | NHK | WEB特集 | 環境)参照2022.7.22)

 入試対策に戻りましょう。1992年の地球サミット以降の国際的な取りきめ(京都議定書やパリ協定)も出題頻度が高いです。スウェーデンのグレタさんによれば、これらの国際的な取り組みは生ぬるい、そんな批判的な視点で、どこがどのように生ぬるいかを見つけようとした方が、理解が進むかもしれません。


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 今回は消費者問題を理解します。
 消費者を保護する考え方はいち早く大衆消費社会が進んだアメリカで始まりました。1962年の特別教書でケネディが「消費者の4つの権利」を提唱して権利となっていきます。この4つは覚える必要があります。
 日本でも森永ヒ素ミルク事件、サリドマイド事件を経て1968年に消費者保護基本法が制定されます。この単元でもいくつかの法律がカギとなります。無過失責任が規定された製造物責任法、有効とは言えない契約を定めた消費者契約法、クーリングオフを定めた特定商取引法の3つは押さえてほしいですす、消費者保護基本法は、2004年に消費者基本法に改正されました。「保護」の文言が消えています。これはこの時期が「小さな政府」志向だったと理解すると飲み込みやすいですが、初めて法律上「消費者の権利」が明記されています。
 残念ですが、消費者問題はこれからも起きていくことが予想されます。今回はその整備されつつある法律を区別し、何ができるのか理解することがポイントです。


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 今回は日本の農業を理解します。日本の農業の課題は主に二つ。農家や耕地面積の減少と自給率の低下(輸入の増大)です。
 中小企業政策と同じように、農業政策も大きな流れは「かつては保護、今は競争」、保護から競争へです。保護は食糧管理制度や減反、農業基本法にあらわれ、競争は改正農業基本法、食糧法、食料・農業・農村基本法や、GATTのウルグアイ・ラウンドを経た1999年からの米の関税化(輸入自由化)にあらわれています。
 今では約500兆円のGDPのうちの1%産業になってしまいました。後の単元、国際分業を進める立場の人たちからは「狭い耕地の日本では不利なのだから農産物は買えばいい。安く買えるということは外国に農地や農家を抱えているのと同じ」とも主張されます。では日本の農業はこのまま衰退してもいいのか、活路は何なのか考えながら学んでみて下さい。

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 今回は日本経済の歴史を振り返ります。大きくは4つの時期、戦後復興期(占領期)、高度成長期、オイルショック後の低成長期(安定成長期)、プラザ合意後のバブルとバブル崩壊後の4つに分けることができます。
 このうち、日本の高度成長期は途上国にとってはお手本になりやすいことや、現在の日本経済が抱える課題や利点が凝縮されています。神武、岩戸、オリンピック、いざなぎという4つの好況期は何があったのか細かい理解が必要です。ちなみに4つの覚え方は、4つの頭文字をとって「爺、おい」。でもこれでは「い」が2つあって区別しにくければ「神わオリンピック、いざ!」でもいいかもしれません。
 金融政策や財政政策が歴史上どう展開されてきたかも含まれていますので、金融政策や財政政策の理解が曖昧だと正解できません。間違えたら、理解したつもりにならずに、もう一度きちんと振り返りましょう。そうすれば受験はもちろん「日本の経済ってこうやって今があるんだ」とわかっていくことにつながります。
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 今回は財政政策を理解します。
 日本の歳入と歳出は約100兆円です(GDPは約500兆円)。この100兆円の元手、どうやって手に入れ、何に使われている、何に使われてきたのでしょうか。この国がどうあるべきかを想定する時、それを実現するためには何らかの資金が必要なはずです。お金の元手や使い途をよく見てみると、この国がどういう国か判明します。

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