ナチスドイツを経験して、理性に対する反省が生まれます。アーレント、ホルクハイマーとアドルノ(この2人はなかなか区別できない)、フロム、ハーバーマスらを著作と共に区別しましょう。
 アーレントの労働、仕事、活動の3つは区別が必要です。単純な普通名詞ですので流してしまいがちですが、ナチズムを生んだ現代は労働は広がっていても、活動が失われていると考えます。少し深入りしますが、活動とは他者との対話によって自分を公の場にさらして、自分が変わる機会のことです。自分の中のもう一人の自分と対話する機会と言いかえてもいいでしょう。ちょうどソクラテスが対話によって真実を見つけようとしたことやハーバーマスの「対話的理性」に似ています。そういう機会が失われていること、そのような社会を「全体主義の起源」と位置づけています。自分を肯定してくれる世界に自閉していきがちな現代社会にあって、彼女の述べた「活動」はますます意味を持ってきています。
 また、気をつけてほしいのは、同じキーワードを複数の人物が使っている例です。「権威主義的パーソナリティ」という言葉はアドルノの著作名でもあり、フロムのキーワードです。また「道具的理性」という言葉もホルクハイマーやアドルノの他に、のちに見るハーバーマスも使います。早とちりして判断しないようにしましょう。
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