今回の単元は内閣を理解します。
 国会が決定したことを実行するのが行政府で、その中心が内閣です。決まったことを実行しているだけのはずですが、政策に精通しているのは国会議員ではなく、国家公務員総合職の試験を合格した、キャリアなど官僚の方だと言われてます。
 これは日本だけの話ではありませんが、立法府(国会、議会)よりも行政府の方が強く、誇大化しているため、「行政国家」と呼ばれます。つまり三権分立とは言いながら、実際は行政権が強いのです。
 そこでわかりにくいのが、議院内閣制では行政府に国会議員が入っていること、つまり行政権の中に立法権が入り込んでいる点です。各省庁の大臣は、国会議員がほとんどです(憲法上の規定は過半数)。入り込むことによって行政権を監視、監督しているわけです。ただ、大臣や副大臣、大臣政務官で官僚たちをコントロールできるのか、といえばどうでしょうか。
 ポイントは3つ。内閣の権限と内閣総理大臣の権限、大きくなった行政権を改革するしくみの3つです。内閣の組織、事務の内容は、憲法の第65~75条に定められています。深入りして混乱しかけたら、条文を確認すると整理できるでしょう。


「行政国家と呼ばれる行政府が誇大化している原因は何か、またその状態を脱するための行政改革が行われているが、その具体例をあげなさい」

「内閣から独立して活動する行政委員会が設けられている理由とその特徴について説明せよ」

「首相のリーダーシップを強化するため、以前から、国民が選挙で直接首相を選ぶ『首相公選制』を主張する意見がある。この首相公選制にはデメリットも指摘されているが、どのようなデメリットがあると考えられるか、30字以内で述べなさい」(中央大学)

page001
page002