高校 政経・倫政の補習講座

大学入試に向けた知識、学んだことと生活を結びつける知恵を提供します。

カテゴリ: 政治経済ドリルの解答

 今回の単元は、国ごとに行われている政府開発援助、ODAを中心に貧困削減の動きを理解します。
 ポイントは、ODAの種類と、国際的な目標の推移です。
 ODAの種類は、贈与と貸与に分けられます。そのうち贈与はお金をあげる無償資金協力と、青年海外協力隊のようなお金ではない技術協力に分けることができます。貸与は日本の場合は円借款という言い方をされることもありますが、お金を貸すことも援助?と思う人もいるでしょう。皆さんが奨学金を借りるように、低金利であればお金をあげてしまうことより、自立に役立つことが少なくないので、お金を貸すことも援助に含めています。
 国際的な目標は、1968年の第2回UNCTADで「GNPの1%を援助へ」や特恵関税という目標が、1972年の第3回UNCTADで「GNPの0.7%をODAへ」という目標が定められました。この目標をどこの国がクリアしていて、どこの国がクリアしていないのか教科書や資料集にグラフが出ています。概ね北欧諸国がクリアしていて、日米が関心が薄いことがわかります。とはいえ、ODAの総額だけを見ると日米は上位国となります。1990年代は日本が最大の拠出額だったことなど、国別の推移も出題されます。

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 今回の単元は、南北問題を理解します。
 ここでのポイントは、「国際社会が南北問題に対してどのような取り組みをしてきたのか」です。
UNCTADやUNDP、そして昨今話題になることの多いSDGsをつくった国連総会など、国連も取り組んでいますし、「先進国クラブ」の任意の国の集まりであるOECDや、国ごとでもODAで取り組んでいます。もちろん民間団体も取り組んでいます。
 とりわけ国連総会は一国一票の多数決ですので、数が多い途上国に配慮した取り組みが決定されます。が、国連総会の決議には法的拘束力はありませんでした。国連の制度(第25~27回)と結びつけて理解できると理想的です。

「1974年の国際連合総会において、『新国際経済秩序樹立宣言』決議が採択されたが、この決議の主なる内容と意義について、説明しなさい」(青山学院大学)
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 今回は、グラフや表を読み取ります。
 グラフや表は、見たことのあるものと全く同じものが出題されることはほとんどありません。
初めて見るグラフや表であることが多いので、受験生は対等です。答えがグラフや表中に含まれていることがほとんどですので、焦らず、時間をかけて読み取りましょう。
 その上で、歴史的な経緯や変化を聞かれることが多い折れ線グラフは、何か区別できる鍵がありますので、それを探すことです。例えば1997年はアジア通貨危機が起きています。2008年には世界金融危機が起きています。影響を受けやすい国の折れ線グラフが著しく動いているでしょう。
 示した例題のような「ゲームの理論」と「ローレンツ曲線」は頻出です。これらは受験で初めて解くのは得策ではありません。これらは資料をじっくり読み取るというよりは、慣れておいて反射的に解く出題です。
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 今回の単元は、BRICSを中心とした新興国の現状を理解します。
ここでのポイントは2つです。
 ①GDPが世界2位になった中国については、歴史的な経緯や政治制度も含めて理解すること
 ②他のBRICS各国については、経済成長の原因や特徴を理解すること
です。②については、いずれの国々も共通点としては資源大国であり、人口も多く面積も広い国です。その上で、課題も抱えています。例えばブラジルやインド、南アフリカであれば貧富の格差、ロシアであれば資源が豊富であるが故のものづくりの停滞、中国であれば人権です。次回第63回で行うような、グラフや図などの資料とからむと予測して学びましょう。

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 今回は地域経済統合を理解します。
 GATTやWTOの例外として、EUやNAFTA、TTPなどの地域経済統合が結ばれています。
 ポイントは、どこの国がどのようなレベルの統合を結んでいるか、です。
 統合が進んでいる順に並べると、EUがもっとも先を走り、次にMERCOSUR、NAFTA、AFTAの順です。アルファベットがたくさん出てきますが、国際的に使われている英単語でもあります。声に出して覚えましょう。
 一番進んでいるのがEUですので、EUは歴史的な経緯も問われます。つまりECSCとEECとEURATOMが統合されてECになり、欧州通貨制度を用いるようになり、冷戦終結後の1992年のマーストリヒト条約でEUになった、まで理解が必要です。ECの原加盟国にはイギリスは含まれず、イギリスはEFTAを形成していた、なんてことも問われます。アルファベットが多いでしょう!
 ただ、地理や世界史を選択している人は一石二鳥です。向こうでも問われます。
 また、EUの試みは、イギリスの離脱や他にも自国第一主義の政権が誕生していて暗雲が立ちこめていますが、例えば日本と韓国、中国が東アジアで同じことができるかというと、意欲的な試みであることは間違いありません。いつか東アジアでも国境管理なく、同じ通過や労働者の移動も自由という日が来るでしょうか。そんなことを夢想しながら解いていきましょう。

「FTA(自由貿易協定)とEPA(経済連携協定)について、両者の違いがわかるように説明しなさい。」(高崎経済大学)
「日本は今後、どの国とFTAやEPAを結ぶべきか、それともいっそのことそのような取り組みには参加しない方法もある。あなたが今後にふさわしい考える、日本の地域経済統合のあり方を述べなさい。」

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