高校 政経・倫政の補習講座

大学入試に向けた知識、学んだことと生活を結びつける知恵を提供します。

カテゴリ: 倫理の解答

 今回の単元は構造主義やフランクフルト学派を学びます。
 構造主義とは、人間の思考や行動が、理性によって引き起こされるのではなく、理性や意識を超えた構造にあると考える立場です。ソシュールは言語の構造に、レヴィ・ストロースは「野生の思考」構造に、フーコーは西洋の知の構造を排除の構造として批判しています。
 フランクフルト学派とは、ナチスによって迫害を受けたユダヤ系の人々がドイツのフランクフルト社会研究所に集まったのでそう呼ばれます。アドルノ、ホルクハイマー、フロム、ハーバーマスらがフランクフルト学派に含まれ、共通点としてナチスが引き起こした出来事の原因は単なる感情ではなく、理性が中心に使われていたことから、理性に対する問い直し(批判理論)が含んでいます。
 この構造主義やフランクフルト学派あたりから、現代思想と呼ばれます。それはデカルト、カント、ヘーゲルあたりが確立してきた理性を揺るがすために、そう呼ばれます。
26フランクフルト学派
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26フランクフルト学派Cha
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 今回の単元は無意識と構造主義です。どちらも今までの哲学がとらえきれなかった、思考の隠れた構造を明らかにしようとする立場です。人間を支配しているのは理性よりも、無意識や構造。慣れるまで時間がかかる人もいるかもしれませんが、慣れればスイスイ解けるばかりでなく、新しい思考法を身につけたり、学問の新しい面白さを感じるはずです。構造主義は、国語の評論文や小論文にも役立ちます。
 構造主義は、それまで人間は理性によって物事をとらえたり、生み出していると考えてきましたが、人間の理性や意識を超えた言語や慣習などの「構造」があると考えます。ソシュール、レヴィ・ストロース、フーコーらがここに分類されます。より詳しくはコチラ(CS倫理 No36 レヴィ・ストロース、フーコー、デリダ : 高校 政経・倫政の補習講座 (myjournal.jp)
 フロイトは無意識を見出した人です。理性の背後に広大な無意識の領域があって、その無意識が人間の行動に影響を及ぼしているという考え方をします。エス、超自我、自我の3つの区分が人間の何をコントロールしているのか、図と共に理解しておきましょう。
25構造主義
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 今回の単元は、他者と生命への視線をあつかう単元に出てくる人々、具体的にはマザーテレサ、レヴィナス、シュヴァイツァー、ガンディー、ベルクソンです。
 それぞれがいつものようにキーワードを持っています。ガンディーのサティヤーグラハやアヒンサーのような聞き慣れない言葉は区別しやすいのですが、「顔」、「生命への畏敬」、「生命の飛躍」のような普通名詞が要注意、どのような意味を持っているのかを明らかにしましょう。意味が明らかになってくると、単に得点が上がっていくだけでなく、自分や世間の常識を揺るがす考え方と出会うことにもつながるでしょう。
24シュヴァイツァー
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 今回は、主にフランクフルト学派とロールズです。
 このうち、フランクフルト学派のホルクハイマー(とアドルノ)、ハーバーマスは、ナチズムを経験して理性に対する批判を展開します。これまでは理性そのものに批判が向いたことは、ニーチェを除いてはなかったと思いますが、ホルクハイマー(とアドルノ)は、理性そのものがナチズムを生んだと考えます。ハーバーマスもそれを引き継いでいますが、対話的理性には信頼を置きます。「理性をどうとらえたか」に違いがあるのです。
 ロールズは現代における正義を考えます。『正義論』の発行は1971年、相対的にアメリカの地位が低下する中で、社会主義でなく格差の是正を図り、また功利主義でなく少数者を救おうとする理論を生みました。無知のヴェール、原初状態もキーワードですが、正義の原理、とりわけ機会均等と格差の原理を理解する必要があります。社会主義でなく、資本主義下でも正義の原理を使えば、格差は是正できると考えたのです。
 ロールズに対しては、自由至上主義(リバタリアニズム)やサンデルら共同体主義からの批判はありますが、現代社会においても影響力のある議論を展開します。
23ハーバーマス、ロールズ

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 今回はサルトルを理解します。
 サルトルのキーワードは、「実存は本質に先立つ」、「人間とは自らつくるものにほかならない」、投企、アンガージュマン、自由の刑など、主体的な人間像を描くサルトルは一世を風靡しました。周囲の『第二の性』のボーヴォワール、不条理のカミュ、身体は物質であると共に意識が浸透していると考えたメルロ・ポンティ、工場で働いた哲学者のシモーヌ・ヴェイユらと共に理解しましょう。

22サルトル
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