ニュースで「成長率」が話題になることがあります。日本は2%に達しなかったとか、中国は8%だったとか、日本の高度成長期は10%前後だったとか。今回はこの「成長率」とは何なのかを理解します。

 ある国のGDPが500兆円から550兆円に増えれば、経済成長率は10%です。
 単純に金額だけの成長率ですので「名目経済成長率」と言います。GDPの金額が10%上がっても、物価(モノやサービスの価格の平均)が10%上がっていれば、経済が成長しているのかわかりません。物価の上下分を加味した指標を実質成長率と言います。ここでは計算問題がありえますが、それが苦戦するようです。
 前回のGDPから国民所得(NI)への変換は、引き算と足し算でした。今回はGDPデフレーターという数値を使った割り算を含んだ計算が出てきます。
 物価が10%上昇していたら、GDPデフレーターは110、
 物価が10%下落していたら、GDPデフレーターは90として、公式に代入しましょう。

 計算が含まれるだけで拒否感を持つ人がいますが、計算は単純ですからこれも問題を通じて慣れましょう。繰り返しますが、こういう文系の人が苦手意識が出やすい単元で差がつきます。私が苦手なところは多数の人が苦手としているところ、そこをどうするか、です。

 「高度経済成長」と呼ばれたのは、実質成長率が毎年10%近かった時期のことを指します。実質成長率が高ければ、生産は活発で、失業率は低く、所得も上昇します。

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