高校 政経・倫政の補習講座

大学入試に向けた知識、学んだことと生活を結びつける知恵を提供します。

タグ:ベルリンの壁

 今回は冷戦の終結を理解します。
 大ざっぱにアウトラインを示します。
 東西のボスが疲弊してきました。アメリカはベトナム戦争や貿易上の赤字で相対的な地位が低下してきました。ソ連は社会主義ならではの問題「頑張っても頑張らなくても、分配は平等」によって、生産意欲が乏しく、経済的に停滞しています。
 そのような時期、1985年にソ連の新しい指導者、ゴルバチョフが改革=ペレストロイカを始めます。ペレストロイカの中身は、アフガニスタンからの撤退、情報公開(グラスノスチ)、西側と協調する「新思考外交」などを指しますが、米ソ関係は急激に和解へ向かいます。
 80年代末からの展開はめまぐるしいものがあります。
  ・89年はベルリンの壁崩壊、天安門事件、マルタ会談、
  ・90年は東西ドイツ統一、
  ・91年はソ連解体や韓国と北朝鮮の国連加盟、
 特に1989年のマルタ会談は、言い方はよくありませんが、40年間近く激しく対立していたギャングのボス同士が握手するという出来事ですから、世界に衝撃を与えます。
 この時期、日本国内では「バブル経済」がおきていましたので、未来が開かれる感じがするような、華やかな時期だったわけです。
 余談ですが、この時期、保護者の方は何歳ですか?引き算してみましょう。だいたい20歳前後だと予想されます。この華やかな時代の出来事をインタビューしてみましょう。
 「ベルリンの壁が崩壊した時、どう思った?」
 「ソ連が解体した時、何してた?」
 20歳前後のチチ、ハハのことを想像する自体が嫌かもしれませんが、きっと青春真っ只中だったと思います。


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 今回は冷戦の始まりを理解する単元です。
 例えばロシアによるウクライナ侵攻一つとっても、冷戦でのアメリカとソ連(現ロシア)の対立が影響を及ぼしています。シリア内戦も同じです。冷戦を理解することは、現代を理解することにつながります。
 少し乱暴にアウトラインを触れます。
 第2次大戦下、連合国の仲間だった米ソですが次第に対立していきます。資本主義と社会主義の対立ととらえて理解するのがシンプルですが、ドイツや朝鮮半島での占領をめぐる対立、実は戦時中のヤルタ会談の交渉中から不信感が高まっていたとも言われます。互いにNATOやワルシャワ条約機構のような集団的な軍事同盟、日米安保条約のような個別の同盟を結び、ギャングのボスのように仲間を増やそうとし、ボス同士は直接的には戦いませんが、ベルリン封鎖や朝鮮戦争、インドシナ戦争からベトナム戦争のように局地的に紛争となります。
 この単元でのポイントは、アウトラインをわかった上で、カタカナを理解することです。トルーマンドクトリン、マーシャルプラン、コミンフォルム、コメコンなどです。

 余談ですが、ロシアによるウクライナ侵攻の背景は、NATOの東方拡大、NATOへの加盟を求める国がロシアに近づいてくることへの危機感があげられます。ソ連は第2次世界大戦における死者数が最も多く(2700万人近いとも言われます)、冷戦が終わってもロシアには危機感があるのです。
 いつ、どこで、何があったのか混ざらないように整理しましょう。もう少し問題を解きたい人はコチラCS政経 No25,26 冷戦 : 高校 政経・倫政の補習講座 (myjournal.jp)

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