この単元は、世界の主な民族紛争を理解します。
 冷戦の終結後、世界から紛争がなくなったのかというとそうではありませんでした。冷戦で押さえつけられていたフタがとれたように、民族運動が多発します。
 この単元は「全部覚えないとダメですか?」とよく聞かれます。旧ユーゴスラヴィア、チェチェン紛争、印パ、同時多発テロ、ルワンダ内戦などなどたくさんあってどうしても羅列的になります。一つ一つに興味が持てるとは限らないことも原因でしょう。

 パレスチナでは、今日も子どもたちが撃たれて亡くなっています。紛争の原因や影響を知ることは、「どうしたらいいのか」を考えるのに必要です。
 また、民族問題はナショナリズムが関係します。ナショナリズムは国家主義と訳すのが一般的ですが、プラスマイナスの両面を持っています。ヘイトスピーチや排外主義、少数民族に対する抑圧につながる面と、アメリカ独立戦争やインドの独立、ベトナム戦争の際には原動力になった面もあります。ついでにいえば、紛争をしばらく経験していない私たちの中にもナショナリズムはあります。簡単に善悪をつけられないところが難しく、だからこそ国公立2次や私大の論述でも問われます。
 地理や世界史の人は今はキツくても一石二鳥、いずれ重なって両方の科目からの出題が解けるようになります。異文化理解という点で倫理や倫政の人は、コチラ(CS倫理 No63 異文化理解 : 高校 政経・倫政の補習講座 (myjournal.jp))も参照して下さい。

「移民は無条件に受け入れることも、無条件に拒否することも難しい可能性がある。どのような取り組みが求められるのか、あなたの考えを述べなさい。」
「民族紛争は宗教的な対立が原因となっているように見える。ある国の民族紛争の具体例をあげながら、平和的な共存に向けてあなたのアイデアを述べなさい。」
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