今回はヤスパースとハイデカーです。
 いずれもドイツ人で、第2次大戦を経験し、ナチズムとも接点があります。
 ヤスパースのキーワードは、限界状況、包括者(超越者)、実存的交わり(愛しながらの闘い)の主に3つです。同じ実存主義者に分類されるキルケゴールと同じように神を否定しないところも特徴的です。
 ハイデカーは「20世紀最大の哲学者」といわれ、その内容は難解です。キーワードはひと(世人、ダス・マン)、現存在、世界-内-存在、死へとかかわる存在、故郷の喪失などで、表面的には難しくない感じがしますが、資料集に出てくる原典と照らし合わせると、回りくどかったり、何を言っているのか理解しづらいのです(一方でそれら難解な用語はドイツ語では日常会話で使われている言葉でできていて、従来の哲学用語は使っていないとも言われます)。難解さに深入りしすぎても混乱するだけですから、シンプルに「人は『死へかかわる存在』として、誰もかわることができない死9を意識しながら、精一杯、個別の生を生きるべき」と考えた、ととらえた方がいいと思います。その上で過去問にあたってみましょう。下にもありますし、こちらにも過去問があります(CS倫理 No31)
 一通り、キーワードを理解した上で問題を解くことが必要です。
21ヤスパース、ハイデカー
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