現代の家族は変容しています。「家族ってこういうものじゃないの?」と多くの人は自分の家族がモデルというか基準になっていますが、世の中は変化していて、あたりまえの家族像は歴史的なものに過ぎません。日本でもサザエさんの家のような拡大家族の方が主流でしたが、1960年代からは核家族が増え、現在では単独世帯や夫婦のみが増えていますし、母子世帯や父子世帯、ステップファミリーも増えています。孤独死やDV、格差など孤立化する人々の諸問題が発生しています。
 家族の形態が変化する原因は、主に産業構造の変化、単純にいえばかつて農家は一家総出で農作業し、食い扶持を確保する必要がありましたが、勤め人が都市部へ働きに出るようになれば家族のメンバーは少なくて済みます。景気が悪くて失業していれば家族内の軋轢が増え、悪循環が生じます。
 家族の形は歴史的に相対的なもので「正しい家族」の形はないのだとしても、少子高齢化が進むこの国にあって、現状ではどうなっていていて、どういう社会制度が求められているのかを考えながら問題を解いてみてください。問題が家族が抱える問題をよく照らしています。
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