今回は実存主義、キルケゴールとニーチェです。
 実存主義とは、客観的に人間や社会を把握しようとするのではなくて、「今、ここに生きる、私」がどう生きるべきか、個別的な真理を見出そうとする考え方のことです。それまではホモ・サピエンスという言葉にしても、ヘーゲルの国家にしても、社会学や経済学、社会主義にしても「人間とは○○である」とか「社会は○○である」と説明してきましたが、唯一無二の自分にとっては、それらの「本質」は違和感があったり、自分を救ってくれません。私にとっての真理にはなりにくいのです。実存主義はそれに答えようとするので、高校生にとっては惹かれたり、取っつきやすいようです。
 それぞれ独特のキーワードがあります。キルケゴールでいえば主体的真理、絶望、実存の三段階、単独者、「あれか、これか」。ニーチェの方はニヒリズム、ルサンチマン、奴隷道徳、神は死んだ、力への意志、超人、永劫回帰、運命愛などです。一つ一つの用語を理解するのは大変そうですが、いっていることは面白い、正確に、流れの中で理解していきましょう。
20キルケゴール、ニーチェ
20キルケゴール、ニーチェAd