この単元では、経済理論の推移を理解します。
 経済=エコノミーの語源は、古代ギリシャの「家」を意味する oikos と「法則・秩序」を意味する nomos を合わせたオイコノミアです。簡単に言えば家計をうまくやっていく、という意味になりますので、家庭科でも扱われています。経済という営み自体は、物々交換をしていた旧石器時代から存在しますが、受験で取り上げられるのは近代、18世紀のアダム・スミスからと考えられます。
 大きな流れを理解しましょう。アダム・スミス流の自由放任による社会問題が顕在化する中で、マルクスによる批判、ケインズによる批判、マルクス、ケインズに対する批判としてのアダム・スミスの見直し(新自由主義)の理論が生まれていきます。
 どのような経済理論が「正しいのか」は簡単には言えないというか、何を重視するかや立場によりますが、今後、どの理論の割合を増やしていくべきかは、ある国の家計(財政)をうまくやっていけるかどうかに関わります。
 ある国が国家としてどのような経済理論を採用すべきか移り変わっていきます。まずは大きな流れを把握しましょう。

経済史

 冷戦で対立していたアメリカ陣営は資本主義や修正資本主義、ソ連陣営は社会主義を採用しています。経済理論と国際政治と関係づけられると理想的です。

「新自由主義的なマネタリズムは小さな政府を指向する。新自由主義のもたらした功罪を述べなさい。」
「社会主義国の政治体制は、指導部の権力が強大に見える。なぜなのか、理由を説明しなさい」

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