今回の単元は、日本の農業を理解します。
 戦後の農業は、大きくは「保護から競争へ」という流れがあります。境になった時期は1990年代と考えられます。どう保護され、またなぜ国際競争にさらされるようになったのかを、いくつかの法律や制度を押さえて理解しましょう。
 法律を区別することで理解が進むかもしれません。食糧管理法、農業基本法、食糧法、食料・農業・農村基本法の4つの法律で「保護から競争へ」という流れがつかめます。 
 食料自給率が下がり、農家数が減少し、耕作放棄地が増えています。1960年、農家の人口は4分の1を占めていましたが今は3%に過ぎません。GNPに占める割合も1%を割りました。自給率の低下や不作や紛争ですぐに価格が高騰すること、安全性などを心配する主張と、一方で「農産物は輸入すればいい」という主張があります。「今後の農業がどうあるべきか」は難問です。

「米などの流通を市場に委ねるのではなく、政府が管理することでさまざまな問題が発生したが、どのような問題が発生し、その問題に対して政府はどのように対応したのか、それぞれ説明しなさい」(福井大)

「仮に日本の農家数がゼロとなり、すべての農産物を輸入するとすると、社会にどのような影響があると予測できるか、あなたの考えを述べなさい。」

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